<お知らせ> 都合により廃業することになりましたので、この欄の更新は行いません。これまでのご愛読ありがとうございました。

(第40回)銘柄を選ぶリスク

黒田電気の信用買いで大きな損を出したお客様に久しぶりに電話したら、「知り合いはみんな、株をやめて投資信託にしているよ」と言われました。 それに対して私の口から出たのは、「その気持ち、分かります」という言葉でした。本当は、もっと強気な答え方を…

(第39回)粉飾決算

先週、ジャスダック上場のユニコ・コーポレーションという銘柄(8569)が会社更正法を申請しました。 8月9日に不適切な会計処理が判明し監理ポスト入りとなったあと、9月25日には粉飾額が大幅であることが判明、債務超過のため上場廃止になることが決定していた…

(第38回)いまの株価位置は?

10月が堅調な展開で終ろうとしています。今月は当初、弱気の見方が多く、中には神懸り的な悲観論を述べる人もいました。 日本株は74年、82年、90年、98年と8年おきに10月に壮絶な安値をつけている。だから、今年も急落する、という著名チャーチストの意見が…

(第37回)リスクとリターン

先週は、新興市場株が急落しました。上がるときも早いが、下がりだすと、まさに真っ逆さまというのが超小型株の特徴です。 どんな銘柄でも、株価が急落すると不安になるとはいえ、新興市場株の場合、おしなべて会社の歴史が新しいだけに、もしかすると悪材料…

(第36回)だからこそいま

日経平均の昨年末終値は16,111円でした。時価はこれを上回っており、平均株価で見る限り、今年は悪い年とはいえません。 しかし、多くの個人投資家にとって、今年のこれまでの相場展開は、最悪といってよい状況でした。比較的運用がうまくいっているのは、ト…

(第35回)NN倍率の歴史

NT倍率とよく似た言葉で、NN倍率という用語があります。NT倍率は、日経平均とTOPIXの比率を示すということで意味が定着していますが、NN倍率のほうは、まだ意味が定まっていません。 調べたところ、次の3つの意味で使われています。 ① 日経平均とN…

(第34回)配当金倍増のトレンド

26日、3月決算企業の中間配当が落ちました。好業績維持の自信から中間配当実施に踏み切る企業が多く、全上場会社では2兆円規模の配当金が支払われます。 多くの投資家は、売買の際に1株利益やPERを気にかけても、配当金がいくらかはあまり気にしません。…

(第33回)本当に安いと思えるとき

財産を何倍にも増やせる千載一遇の買い場というものがあります。たとえば03年の4月の大底時です。 このとき、みずほは5万円台でしたが、長銀や日債銀のように株券無効の笛が鳴る可能性をささやかれていたので、投資に踏み切るには覚悟が必要でした。しかし、…

(第32回)バリュエーションの揺らぎ

IT関連の親分格ともいうべきソフトバンクについて、外資系アナリストから妥当株価が900円であるとか、1340円であるとかいう見解が発表され、そのたびに新興市場などのIT関連銘柄が軒並み売られました。 妥当株価を算定することをバリュエーションといい…

(第31回)TOPIXと日経平均

多くの人が、相場水準の物差しに日経平均を使います。TOPIXが30ポイント上昇したと聞いてピンと来ない人がいても、「日経平均が300円高しましたよ」と言うと、「おう、そうか」とすぐ伝わります。 米国でもわずか30銘柄のダウ工業株平均(いわゆるNYダウ)…

(第30回)業績相場を考える

次に来る本格上昇が、業績相場と位置づけられるのは間違いありません。 日本経済は、長いゼロ金利時代を終って、金利正常化の時代を迎えようとしています。もし金利上昇に向けて無事に離陸(ソフト・テイクオフ?)できれば、失われた90年代のロスを取り戻す…

(第29回)上値はどのくらいか?

少し前まで、市場の関心はもっぱら下値の方向にありました。ここにきての上昇で、上値のことにも考えが及ぶ状況にようやく戻ったわけです。ただし、現在のところ、株価の堅調さのわりに、市場のムードは好転していません。多くの人がこの間の上昇を横目にし…

(第28回)萎縮したマインドの行方

日本株は、外人買いを背景に堅調な動きを続けています。だれもが厚い壁と考えていた7月の戻り高値を抜いてきたのですから、基調は非常に強いと考えなければなりません。しかし、それにもかかわらず、出来高はむしろ減少しており、ネット証券や外務員の営業成…

(第27回)日本株の基礎的状況

第1四半期の決算発表があらかた終了し、日経新聞の集計では、経常利益で前年同期比15%の増益になったと報じられました。電機が69.5%、商社が45.6%の高い伸びを示し、全体を牽引しています。ほとんどの企業が通期の予想数字を据え置いたものの、今後増額修…

(臨時)銘柄分析 双日(2768)

8/1終値373円 (今年高値766円1/5、安値348円7/19) 会社予想1株利益97.3円、PER―倍 6月末1株株主資本(-213)円(17.5%) 7/27昼決算発表 投資判断:押し目買い 想定下値:①350円、②333円(悲観PER 9倍) 想定上値:①420円、②615円(楽観PER13倍)注意点:MS…

(第26回)転換点の考察

日本株相場のもっとも大きな転換点は、90年1月4日です。この日を境にして、日経平均38,915円を高値とする日本株の凋落が始まりました。 一方、日経平均が7,607円の安値をつけた03年4月28日は、現時点ではその歴史的な意味が確定していないものの、今後時間の…

(第25回)投資家の迷い

ここにきて、日米の株価は、ともに方向感のない一蓮托生の動きをしています。続落かと思えば急反発を見せ、上昇が続くかと思えば下落する、現在の相場様相を端的に象徴するのが先週後半の株価推移です。 先週の20日(木)は、日経平均446円高という上げ幅もさ…

(第24回)金利の復活

1999年2月に始まったゼロ金利政策は、2000年8月に一度解除されたことがあります。折からITバブルの反動が出はじめた直後で、わずか5ヵ月後には解除を撤回し、量的緩和を追加せざるをえなくなるという、きわめて悪いタイミングでした。当時の速水日銀総裁は…

(第23回)何が得か?

読者から質問がありましたので、今回は株式投資だけに限定せず、資産運用全般から考えてみます。 資産配分の対象は、主に債券、株式、商品、不動産の4つです。 平均的なサラリーマンを例にとれば、住居が持ち家か賃貸かで資産バランスは大きく違います。賃貸…

(第22回)買うに適した時期はいつか?

今年前半の6ヵ月が過ぎました。日経平均で見れば、去年の終値が16,111円で、その下げ率は数%でしかありません。しかし、個人投資家の持ち株で見れば、半値以下に落ちた銘柄も珍しくなく、数年に一度の悪環境でした。 投資成績は、銘柄選択もさることながら…

(第21回)やや先のことを考える

先週、今後のリバウンドについて、「違う相場が始まる可能性はない」と書きましたが、この表現は間違いだったと反省します。当面は、大型・小型、ハイテク・内需の渾然一体の戻りが予想されるという意味で書いたものの、かなり近視眼的な見方に偏っており、…

(第20回)上値期待を考える

先週は「下値不安を考える」という表題で、投資家の関心がもっぱら下値の方向に向いていることを書きましたが、下値不安がやや薄らぎ、「どのくらい戻るか」ということに関心を持つ人も増え始めました。 昨年末には、上がることばかりを考える人が多く、まさ…

(第19回)下値不安を考える

相場が急落する中で、多くの方と、買うべきかどうかではなく、売るべきかどうかで話し合ってきました。 ふだんは、たいていの投資家が「何かいい銘柄はない?」というスタンスです。つまり、株は損をするかもしれないが、儲かることも多いと考え、関心の比重…

(第18回)急落の中で信じるべきもの

先週の金曜日は、険悪な急落商状から一転急反発となりました。やれやれと思った矢先、週明けに再度の下押しです。株価はよいところに来ている。しかし、まだ下がるのではないか? おそらく大半の投資家がその疑心暗鬼の真っ只中にいます。 相場急落を、トレ…

(第17回)他人の意見と自分の判断

投資顧問を看板に掲げている以上、株価が上がると「売り時かね?」、下がってくると「いったいいくらまで下がるのかしら?」と聞かれるのがつねです。 しかし、私は自分の勧めた銘柄であっても、歯切れよく答えられることはめったにありません。売りたいよう…

(第16回)悲観と楽観の間で

株価が大きく下げ始めた日に、昔の外務員仲間の集まりがあり、ため息まじりの飲み会になりました。 外務員や私のような仕事をしているものにとって、顧客の資産は生活の糧を育てる牧場のようなものです。顧客が儲かれば、当分の間の潤いが約束され、顧客が損…

(第15回)浮かぶ株と沈む株

株価が急落し、いま多くの投資家が自分の買った株を持ち続けることに不安を感じています。信用取引はいうまでもなく、現物の場合でもそうです。 不安をもたらす根本的な原因は、平均株価の位置にあります。 日経平均は、過去3年間で2.3倍、この1年間では1.6…

(第14回)なんのために株を買うのか?

この表題は愚問と思われるかもしれません。特殊な場合を除いて、たいていの人が儲けるために株を買うのは当然です。 ただし、儲けの目指し方にいろいろあります。短期売買で稼ごうとする人もいれば、じっくり持ち続ける人もいます。様々な投資スタイルがある…

(臨時)双日の優先株買い入れについて

昨日の大引け後、決算発表と一緒に、優先株の一括買い入れが発表されました。ほぼ日経新聞の報道どおりの内容ですが、優先株を保有するすべての金融機関と契約が締結済みということで、曖昧さはまったくなくなりました。 内容はおよそ次の通りです。 1.優…