(第13回)金利上昇は悪材料か?

日経金融新聞に、国債利回りの上昇により、株式から債券に資金を移そうと考えている機関投資家と個人投資家がいることが紹介されています。 株式と債券のいずれを選ぶかは、人それぞれの選択であり、金利が上がれば債券で運用しようという動きが出ても当然で…

(第12回)決算発表と株価

06年3月期の決算発表がいよいよ始まりました。全体として見れば、株価への影響は限定的と思われます。企業業績はすでに4年連続の増益で、今期も増益予想が出るのが当然ながら、その率が鈍化するのも当然と多くの人が見切っているからです。増益率の細かい集…

(第11回)強気の弱気

私は、いま弱気ではありません。どんどん買うべきだと考えています。 しかし、株価の一寸先は闇です。思いがけない下げが来るときがあります。そのときにどうするか、その覚悟はつねに必要です。 今年の1月、ライブドアの不正発覚による急落は、結果的に絶好…

(第10回) PERをめぐって

売買をするのに、PERは役に立たないという意見があります。 1つは、PCFRやEBITDA倍率などという別の指標のほうが、PERよりも収益力の実態をよく表わしているという、やや玄人めいた意見です。 もう1つは、株価の上がり下がりは人気次第な…

(第9回)正念場を前にして

1月23日に投資顧問業の登録が完了し、2月1日付けで第1号レポートを出しましたので、この仕事を始めてからおよそ2か月を経過したことになります。 私の業務は、毎週レポートを出すことと、助言会員に運用のアドバイスをすることの2つですが、いずれも黒田電気…

(第8回)株価は株価に聞くものか

「株価は株価に聞け」といいます。言葉としては全然面白くありませんが、内容的には含蓄があり、教えられることの多い相場格言だと思います。 我々は、ともすれば、思い込んでしまいます。たとえば、よい材料があるのだから株価は必ず上がるはずだと考えます…

(第7回)アナリストは株のプロか?

証券会社に在職中、調査業務を一度だけ経験したことがあります。44歳のとき、アナリスト検定試験(国内資格)に合格し、調査部門に配属されたのです。 その頃、他社の担当者と交流する中で強く感じたのは、調査業務に携わっていながら、株に対する関心をあま…

(第6回)日経平均高値更新の前提

投資家の価値観は様々です。先週の<相場展望>で分類しましたように、将来の成長や収益の期待によって投資する人がいる一方、配当や資産やブランドなど、現実的でより確かなものを重視して投資する人がいます。加えて、企業の中身よりも株価の動きそれ自体…

(第5回)何をどう考えるべきか

考えることは、株式投資にとっていつもプラスに働くとは限りません。たとえば持ち株が順調に上がって目標値に近づいているとき、いろいろ考え始めると、考えすぎて失敗することがよくあります。順調なときは、余計なことを考えるより流れに身を任せているほ…

(第4回)株の上手下手をどう考えるか

1年間で資産が2倍になった人と、20%しか増えなかった人を比べて、2倍になった人のほうがうまく運用したとは必ずしもいえないことについて、 先々週のこの欄で述べました。 自分なりの方法でリスクの小さな運用を心がけている人であれば、去年のように平均株…

(第3回)下げた株にどう対処するか

先週末から、私の注目銘柄である黒田電気をはじめとして、様々な銘柄の急落が目立っています。下げれば、人間は不安になります。そして、不安にならず、平気でいることが必ずしもよい結果を生むわけではありません。 下げへの対処は難しく、もっとも判断力を…

(第2回)儲けの評価は難しい。されど

去年1年間で日経平均が40.3%上昇し、多くの投資家が潤いました。ほくほくとしている人もいれば、そのわりに自分の儲けは少なかったと不満を感じている人もいるでしょう。 私自身もそうですが、儲けの大小で喜怒哀楽を感じたり、他人の儲けに焼餅を感じたり…

(第1回)我々はどこに行くのか?

株式投資で大切なことは、よい銘柄を選ぶということもさることながら、それ以上に、世の中の変化に対して謙虚な気持ちを持ち続けることだと思います。 幕末から維新にかけて、様々な混乱の中で「世も末だ」という第一印象に自己満足した人は、そのあとに続く…

<まえおき>第1回の前に

この欄は、2月1日(水)を第1回の予定日として原則として毎週水曜日に更新することとします。 この欄は、弊社株式会社フェア・バリューの会員に対して配信する週刊レポート「今週の投資案」(仮称)の最初の部分を掲載します。なお、以後は「弊社」ではなく…