(臨時)銘柄分析 双日(2768)


8/1終値373円 (今年高値766円1/5、安値348円7/19)
会社予想1株利益97.3円、PER―倍 6月末1株株主資本(-213)円(17.5%)
7/27昼決算発表     


投資判断:押し目買い
     想定下値:①350円、②333円(悲観PER 9倍)
     想定上値:①420円、②615円(楽観PER13倍)

注意点:MSCB発行で懸案の資本健全化の途上、2660億円が未転換 


<決算発表の概要>                 単位:億円(%)
売上高(前年比)営業利益(前年比)経常利益(前年比)純利益(前年比)EPS
第1Q  1兆2276(+8.6)  177(+13.1)  217(+4.4) 187( +1.5)  37.2円
今期予 5兆2000(+4.6) 810(+ 6.3) 830(+5.4) 490(+11.2)  97.3円


<決算内容の評価>
期初予想に対して強含みの通過実績だが、他の総合商社が前年比高い伸びを示し、通期経常利益予想に対して30%台の進捗率になったのに比べ、当社の26%は見劣り。(昨年も通期実績に対して26%で通過)他社より比率の高い生活産業分野が伸び悩んだことと、石油ガス部門で国内向け製造事業での価格転嫁が遅れたことが原因。


<フェアバリューについての考え方>
当銘柄の場合、発行株数をどう見るかが大きな問題。表記のEPSは6月末の発行株数5.03億株を前提にしているが、実質的な発行株数は以下のように考えられる。
① 野村保有のCB転換分7.27現在340億円、この時点の発行済み株数5.38億株
② 潜在株式=野村保有のCB未転換分2660億円+リーマン保有優先株30億円
③ 野村保有のCB転換価格の最下限341.3円→仮にこの価格ですべて転換された場合:7.88億株増加(リーマン分は影響が小さいので便宜上同じ条件で転換されるとする)
④ 株価が大幅に上昇した場合→仮に1000円平均で推移し、平均転換価格が900円になったと仮定すれば→2.99億株増加
⑤ よって実質発行株数は13.26億株〜8.37億株であり、今期会社見通しは1株利益で37.0円(悲観)〜58.5円(超楽観)、540円平均で転換の場合47.3円(楽観)となる。


<当面の株価についての考え方>
 現在の株価は悲観的な想定に基づいて形成されているが、全般相場が上昇した場合、徐々に強気寄りの想定に基づく株価に修正されていくと考えられる。